閼伽井

閼伽井(あかい)は、和歌山県高野山壇上伽藍の六角経蔵東南にある。
紀伊名所図会には、次のように記されている。
「閼伽井(あかのい)
 御社の南、林間にあり。大師の鑿開(せんかい)し給ふ処、天竺の無熱池の水を湛ふとなん。
 凡(およそ)一山灌頂曼供等の大法会には、必ず是をもって閼伽とす。」

閼伽(あか)は、サンスクリットのアルガArghaの音訳で、阿伽、遏伽とも書く。
原語は「価値あるもの」の意味で、客人を接待するに最も必要な水を意味し、転じて神に供える捧(ささ)げ物の意となり、それを盛る容器の総称となった。
仏教では、仏菩薩に献ずる聖水をさし、とくに密教では仏や諸尊に捧げる六種供養(閼伽、塗香、華鬘(けまん)、焼香、飲食(おんじき)、灯明)のひとつとして煩悩の垢(あか)を洗うものとされる。

当地の閼伽井は、弘法大師空海が自ら掘った井戸で、無熱池の水を入れたとされている。
無熱池(むねっち)とは、インドで考えられた理想郷の池で、阿耨達龍王(あのくだつりゅうおう)が住むという、炎熱の苦しみがない池である。
そこに咲く青蓮華が樒の葉に似ていることから、仏に樒を供えることになるとされている。
また、この池の岸が金、銀、瑠璃、玻璃の四宝で飾られ、冷たい清らかな水が湧き出し流れ出て四大河のもとをなし、世界を潤すと考えられている。
閼伽井の水は、灌頂や曼荼羅供などの高野山の大法会に使われている。
南海高野線高野山駅からバスで金堂前下車、徒歩3分。中門前に参拝者用駐車場がある。


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